
「窓を開けて換気しなくて大丈夫なの?」
我が家がほとんど窓を開けない生活をしていると話すと、とても驚かれます。
私自身もこの家に住むまではそう思っていました。
これまでアパート暮らしや実家の新築注文住宅で生活してきましたが、「窓を開けずに暮らす」という経験はありませんでした。
春や秋など気候の良い時期になると、エアコンを止めて窓を開ける。
少しでも電気代を節約するために窓を開ける。
そんな生活が当たり前だったのです。
しかし、松尾設計室で家づくりを進める中で、
「換気のために窓を開ける必要はありません」
という説明を受けました。
当時は正直半信半疑でした。
ですが実際に住んでみると、この考え方は理にかなっていると感じています。
なぜ窓を開けなくても大丈夫なのか
その理由は24時間換気システムにあります。
建築基準法では、居室の空気を1時間あたり0.5回以上入れ替えることが義務付けられています。
つまり理論上は約2時間で家全体の空気が入れ替わる計算です。
高気密住宅では、給気口から新鮮な空気を取り込み、各部屋を通って排気口から排出するという空気の流れが計画されています。
これを理解するための例えとして松尾先生はストローに例えて説明されています。
ストローは飲み口と吸い上げ口が決まっているからこそ飲み物を吸い上げることができます。
しかし途中に穴が空いていると空気が漏れてしまい、うまく吸えなくなります。
住宅の換気も同じです。
給気口と排気口という入口と出口が決まっているからこそ、空気が計画通りに流れます。
もし家の気密性能が低く、あちこちに隙間があれば、空気は近道をしてしまい、本来換気したい場所まで新鮮な空気が届きません。
高気密住宅で計画換気が重要と言われる理由はここにあります。
花粉やPM2.5を室内に入れにくい
窓を開けると、
- 花粉
- PM2.5
- 黄砂
- 排気ガス
- 虫
なども一緒に室内へ入ってきます。
一方で換気システムを通せば、フィルターを通過した空気だけを取り込むことができます。
そのため窓を開けるよりも空気の質をコントロールしやすくなります。
湿度管理もしやすい
夏や梅雨時期に窓を開けると、高温多湿な空気が室内へ流れ込みます。
せっかくエアコンで除湿した空気も外気によって影響を受けてしまいます。
窓を閉めたままエアコンと換気システムで管理することで、家全体の湿度を安定させやすくなります。
我が家でも部屋ごとの温度差や湿度差はかなり少ないと感じています。
実際に住んでみて感じたこと
住む前は、
「春や秋は窓を開けて節電するもの」
と思っていました。
しかし今では電気代を節約するために窓を開けるという発想自体がなくなりました。
比較的過ごしやすい5月でも、
- おひさまエコキュート
- IHクッキングヒーター
- エアコン
- 24時間換気システム
を使用した状態で生活しています。
それでも我が家は太陽光発電5.22kWの発電・売電分を含めて計算すると、5月の実質電気代は約1,000円でした。
以前住んでいたアパートでは、
- 電気代:約3,000円
- ガス代:約5,500円
がかかっていました。
もちろん太陽光発電の効果もありますが、高気密・高断熱によって冷暖房効率が高く、少ないエネルギーで快適な環境を維持できていることも大きな要因だと思います。
網戸が不要になった
窓を開けない生活になって最も意外だったメリットが網戸です。
実は我が家も入居当初は、
「いつか使うタイミングがあるだろう」
と思って全ての窓に網戸を設置していました。
しかし3か月ほど生活しても全く使いませんでした。
結局、本当に不要だと判断し、現在は取り外して小屋裏に保管しています。
網戸がなくなると見た目もスッキリします。
外観も綺麗ですし、室内から外を見た時も網戸越しではなくなるため景色が綺麗に見えます。
網戸掃除から解放された
網戸は設置すると定期的な掃除が必要になります。
放置すると砂埃や花粉、排気ガスなどが付着してどんどん汚れていきます。
恥ずかしながら私は細かい掃除があまり得意ではありません。
賃貸暮らしの頃も実家暮らしの頃も、網戸を掃除した記憶はほとんどありませんでした。
実際、以前住んでいた新築賃貸では約2年間網戸を掃除していませんでした。
退去時に初めてしっかり掃除したのですが、その汚れ具合に驚きました。
網戸を軽く叩くと、溜まった砂埃が「ボフッ」と舞い上がるほど汚れていたのです。
もちろん掃除をしていなかった自分が悪いのですが、
「今までこの網戸を通して換気していたのか」
と少し衝撃を受けました。
窓を開けて換気するということは、その網戸を通過した空気を室内へ取り込むということでもあります。
網戸を使うのであれば、定期的な掃除は欠かせないと感じました。
網戸の破損にも悩まなくなった
網戸は経年劣化や衝撃で破れることがあります。
100円ショップなどで補修キットも販売されていますが、補修や張り替えには手間がかかります。
しかし網戸がなければ、そもそも破れたことに悩む必要もありません。
防犯面や静音性もメリット
窓を常に閉めているため、防犯面でも安心感があります。
また外の騒音も入りにくくなります。
特に夜間は静かで落ち着いた環境を維持しやすいと感じています。
まとめ
家を建てる前は、
「窓を開けない生活なんて息苦しいのでは?」
と思っていました。
しかし実際に住んでみると、
- 24時間換気で空気はしっかり入れ替わる
- 花粉やPM2.5を取り込みにくい
- 温度や湿度が安定する
- 電気代を気にして窓を開ける必要がない
- 網戸掃除から解放される
- 虫が入りにくい
- 外観や景色がスッキリする
- 防犯性や静音性が向上する
など、多くのメリットを感じています。
今では窓は「換気のために開けるもの」というより、「採光や眺望のための設備」という感覚です。
高気密・高断熱住宅だからこそ実現できる、これまでの常識とは少し違う暮らし方なのかもしれません。


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