
注文住宅を計画していると、
「植栽って本当に必要?」
と一度は考えるのではないでしょうか。
私自身、家を建てる前は植栽にほとんど興味がありませんでした。
むしろ、
「手入れが大変そう」
「虫が出そう」
「なくても生活できるのでは?」
と思っていたくらいです。
実際、我が家の植栽工事には約30万円かかりました。
決して安い金額ではありません。
だからこそ契約前は何度も悩みました。
しかし、実際に住み始めて数年が経った今。
もし家づくりをもう一度やり直すとしても、私は迷わず植栽を採用すると思います。
なぜそこまで満足しているのか。
今回は、植栽に興味がなかった私が感じた「植栽の本当の価値」についてお話ししたいと思います。
コスパだけを考えると植栽は不要かもしれない
経済合理性だけで考えれば、家はどんどんシンプルになります。
植栽はもちろん、
- 飾り棚
- アクセントクロス
- 間接照明
- デザイン性の高い外構
こうした「なくても生活できるもの」は削られていくでしょう。
しかし、それだけで本当に満足できる家になるのでしょうか。
注文住宅の魅力は、単に住む箱を作ることではなく、自分たちが心地よく暮らせる空間を作ることにあると思います。
植栽は家のデザインの一部になる
私は当初、少し変わった形の家や個性的なデザインに憧れていました。
もちろんそういった家には魅力があります。
ただ、性能やコストとのバランスを考えると、必ずしも最適解とは限りません。
一方で、シンプルな形の家でも植栽があるだけで印象は大きく変わります。
窓から見える緑。
やわらかく落ちる木陰。
季節によって変化する表情。
植栽があるだけで、家全体にゆとりや落ち着きが生まれます。
シンプルな住宅でも、どこか豊かな暮らしが想像できる外観になるのです。
私は植栽を単なる庭木ではなく、家のデザインの一部として考えています。
実際、我が家でも当初は石張りの玄関アプローチなど、外構にデザイン性を持たせる計画がありました。
しかし見積もりを取るとかなりの費用がかかります。
そこで玄関アプローチはシンプルな仕様に変更し、その分の予算を植栽に回すことにしました。
結果として、この選択は正解だったと感じています。
石やタイルは完成した瞬間が最も美しい状態ですが、植栽は年々成長しながら家の印象を変えていきます。
建物そのものは変わっていないのに、植栽が育つことで外観の雰囲気が少しずつ変化していくのです。
家づくりを考える際は、建物だけでなく植栽も含めてデザインするという考え方も面白いのではないでしょうか。
外からも中からも楽しめる植栽がおすすめ
植栽を配置する場所も意外と重要だと感じています。
私がおすすめしたいのは、家の外からも家の中からも見える位置に植栽を配置することです。
設計によっては道路側からは見えるけれど、室内からは見えない場所に植栽を設けるケースもあります。
もちろんそれでも素敵なのですが、せっかく植えるのであれば毎日眺められる場所にある方が満足度は高いと思います。
我が家ではLDKから植栽が見えるように配置しています。
家に帰ってきたときには外観の一部として迎えてくれる。
家の中では窓の外に広がる癒やしの景色になる。
同じ植栽なのに、外から見れば外構デザインの一部、室内から見ればインテリアの延長のような存在です。
外からしか見ない外構にお金をかけるよりも、中からも外からも楽しめる植栽に投資する。
それも注文住宅ならではの選択肢の一つではないかと思います。
植栽は設備以上に満足度が高かった
植栽には手間がかかります。
水やりや剪定。
落ち葉の掃除。
虫への対策。
正直、面倒だと感じることもあります。
それでも実際に住んでみると、植栽は思っていた以上に満足度が高い存在でした。
家の中でくつろぎながら、ふと外を見る。
そこにお気に入りの植栽が見える。
その時間がとても心地いいのです。
以前、設計士さんからこんな話を聞きました。
「高価な設備は数年後には当たり前になり、いずれ古くなります。でも植栽は季節ごとに表情を変えながら、ずっと癒やしを与えてくれます」
当時は半信半疑でした。
しかし実際に住んでみると、本当にその通りだと感じています。
設備の便利さとはまた違った種類の幸福感があります。
私にとって植栽は単なる外構ではなく、暮らしを豊かにしてくれる存在になっています。
植栽は「家を育てる楽しさ」を与えてくれる
植栽の魅力として、少しずつ成長していく姿を見守る楽しさがあります。
家を建てたら終わりではなく、住みながら育てていく。
植栽はその感覚を強く与えてくれます。
少しずつ大きくなっていく木を見ると、自分たちの暮らしも一緒に積み重なっているような気持ちになります。
さらに面白いのは、植栽が育つことで家そのものの見え方も変わっていくことです。
植えたばかりの頃の木々は小さく、少し寂しく感じていた外観も、数年後には枝葉が広がり、家と植栽が一体となった景色へと変わっていきます。
木が成長することで窓まわりの印象が柔らかくなったり、外壁とのコントラストが生まれたり、季節によって違う表情を見せてくれたりします。
家だけでは完成しない景色が、植栽の成長によって少しずつ完成していくのです。
実際に我が家も入居当初と比べると植栽が大きく成長し、外構の雰囲気はかなり変わりました。
建物そのものは変わっていないのに、植栽が育つことで家全体の印象が変わっていく。
これは家具や設備では得られない魅力だと思います。
植物を育てたことがなくても大丈夫
植栽に興味はあるけれど、
「これまで植物を育てたことがない」
「枯らしてしまいそう」
と不安に思う方もいるかもしれません。
私も家を建てるまでは植物を育てた経験がほとんどありませんでした。
しかし、きちんとした植栽業者さんに依頼すれば、土壌改良をしたうえで、その土地の環境に合った育てやすい植物を提案してもらえます。
我が家でもシンボルツリーはお店の方と相談しながら決めましたが、下草については「管理しやすくて育てやすいものをお願いします」とほぼお任せでした。
それでも今のところ枯れてしまった植物はなく、どれも元気に育っています。
特別な手入れをしているわけではありません。
基本的には水やりをしている程度です。
最近ではホームセンターなどで自動散水システムも販売されており、タイマーで決まった時間に水やりをしてくれる仕組みもあります。
忙しい方や手間を減らしたい方には、とても便利な選択肢だと思います。
ただ、我が家ではあえて手動で水やりをしています。
なぜなら、その時間そのものが楽しみになっているからです。
ジョウロを持って庭を歩きながら、お気に入りの植栽を眺める。
新芽が出ていることに気付いたり、花が咲いていることを発見したり。
毎日少しずつ変化する植物たちを見ながら過ごす時間は、とても心地よく感じます。
虫問題は確かにある。でも思ったほどではなかった
植栽のデメリットとしてよく挙げられるのが虫です。
我が家でも一度、アブラムシが大量発生したことがありました。
あの時は正直ゾッとしました。
しかし何年か暮らしていると、
「この時期に発生しやすい」
という傾向がわかってきます。
今では事前に薬剤を散布するなどして対応しており、大きな問題にはなっていません。
また、虫が苦手な方は「窓を開けたら虫が入ってくるのでは」と心配されるかもしれません。
しかし我が家は高気密高断熱住宅のため、計画換気によって室内の空気が入れ替わるので、基本的に窓を開けることがありません。
実際、我が家では窓を開ける機会がほとんどなくなったため、網戸もすべて撤去してしまいました。
昔のように窓を開けていて虫が入ってくることもありません。
さらに高気密住宅は隙間が非常に少ないため、一般的な住宅に比べて害虫が侵入しにくいというメリットもあります。
もちろん玄関の開閉などで入る可能性はありますが、植栽があるからといって必ずしも虫との戦いになるわけではありません。
狭い庭でも植栽は楽しめる
「庭が狭いから植栽は難しい」
そう思う方もいるかもしれません。
しかし植栽は広い庭がなくても十分楽しめます。
シンボルツリー1本。
低木数本。
下草。
これだけでも立派な景色になります。
わずかなスペースでも緑があるだけで印象は大きく変わります。
また、下草が地面を覆うことで雑草対策にもなります。
雑草は生命力が強いイメージがありますが、実際には植物同士で養分や日光を奪い合っています。
そのため植栽でしっかり覆われた場所には意外と雑草が生えにくく、何も植えていない隙間の方が雑草は生えやすいと感じています。
植栽があると四季を感じられる
植栽の一番の魅力は、季節の変化を身近に感じられることです。
春には新芽が出る。
夏は緑が濃くなる。
秋は紅葉する。
冬は葉を落とし、また春を待つ。
毎日見ている家だからこそ、その変化が楽しいのです。
窓の外を見るだけで季節の移ろいを感じられる。
そんな暮らしは思っていた以上に豊かなものでした。
まとめ|植栽はコスパでは測れない価値がある
植栽は決してコスパの良い設備ではありません。
費用もかかりますし、手入れも必要です。
しかし、
- 家の見た目が良くなる
- 家のデザインの一部になる
- 四季を感じられる
- 家を育てる楽しさがある
- 暮らしに癒やしが生まれる
- 毎日の満足度が高くなる
こうした価値は数字では測れません。
資産形成も大切ですが、人生を豊かにするためのお金の使い方も同じくらい大切だと思います。
我が家にとって植栽への30万円は、単なる外構費用ではありませんでした。
それは「心の豊かさへの投資」だったと感じています。


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