「マイホームを建てるなら、かっこいい趣味の部屋を作りたい!」 「趣味を楽しめる、最高の書斎が欲しい!」
家づくりを計画するとき、そんな夢を膨ませる方は多いのではないでしょうか。かっこいいライティング、ハイスペックなPC、隠れ家のような空間……。
私もまさにそんな理想を形にしました。一人で没頭する男のロマンだけでなく、「夫婦で一緒に楽しめたら最高だな」と考え、パソコン用の机を2台置けるワークスペース(書斎)を設計したのです。ハイスペックなゲーミングPCも手に入れ、子どもが生まれる前は、ここでゲーム三昧の毎日を送る日を夢見ていました。
しかし、いざ住み始めて子どもが生まれると、そのこだわりの空間は現在、見事な「物置」へと変貌を遂げ、全く使われていません。
「やっぱり無理な間取りを作ると後悔するの?」 「子どものせいで趣味を諦めなきゃいけないの?」
そう思われるかもしれませんが、理由はまったく違います。実はこれ、子どもに奪われたのではなく、親になった私たちの「幸せな心境の変化」が理由なのです。
今回は、設計当初の理想と、実際に子育てが始まってからのリアルな価値観の変化、そしてこの部屋が迎える「これからのワクワクする未来」についてお話しします。
1. 夫婦で楽しむはずだった、こだわりの「2台置きデスクスペース」
設計当時、私が思い描いていたのは、趣味とロマンをこれでもかと詰め込んだ空間でした。
- 狭さが心地いい、隠れ家のような秘密基地
- キラキラ光るネオンライトとハイスペックなゲーミングPC
- 夫婦でゲームや作業ができるよう、パソコンデスクを2台置ける空間
- ゲーム音を気にせず没頭できるよう、リビングからのアクセスが遠い場所に配置
「子どもが生まれる前に、ここで一人や夫婦の時間を満喫して、子どもが大きくなっても自分の時間を楽しもう」 そうワクワクしながら設計した、こだわりの間取りです。
しかし、子どもが誕生してライフスタイルは一変。 リビングから遠く離れた秘密基地は、子育ての動線からは一番遠い場所になりました。一応、子どもを連れ込んで面倒を見られるようにはしたものの、おもちゃやベビーベッドを置くには手狭です。というか、そもそもそんな優雅に引きこもる時間など、怒涛の子育て期には存在しませんでした。
結果として、2台のデスクを置く予定だった空間は、いつしか便利な荷物置き場(物置)になっていきました。
2. 「使えない不満」はゼロ。親になって気づいた感情の変化
これだけ聞くと「せっかく作ったのにもったいない」「子どもがいると趣味は諦めるしかないの?」と感じるかもしれません。しかし、私たちのストレスは驚くほどゼロでした。
なぜなら、「ゲームがしたいのにできない」のではなく、「一人の時間や夫婦の時間よりも、子どもの成長を近くで見守りたい」と、私たちの感情が自然とシフトしたからです。
子どもが生まると、親としての価値観はガラリと変わります。 あんなに執着していた「部屋にこもってゲームに没頭する時間」よりも、子どもの些細な仕草や笑顔、成長の瞬間を見ている時間の方が、ずっと愛おしく、価値があると感じるようになったのです。
ゲームをしたいという衝動そのものが、良い意味でスッと薄れていきました。これは、独身時代や設計当時(子どもが生まれる前)には想像もつかなかった、嬉しい誤算でした。
3. 1人の趣味部屋から「家族みんなで楽しめる空間」へのアップデート
もちろん、ゲームやあの部屋が嫌いになったわけではありません。今でも新作ゲームの映像を見れば「お、面白そうだな」と惹かれる瞬間はあります。
ただ、今の私の視点は少し変わりました。
- 「このゲーム、大きくなったら子どもと一緒にできるかな?」
- 「子どもはどんなゲームを好きになるだろう?」
- 「いつか家族みんなでここでワイワイ遊べたら最高だな」
そんな風に、「将来のゲーム仲間を家庭内で増やして、家族みんなで楽しめるスペースにしたい」という風に、夢がスケールアップしたのです。
ただ、ここで一つリアルな問題が。 この書斎、パソコンが2台しか置けない設計なので、子どもを含めた「3人同時プレイ」は物理的にできません(笑)。
そのため、子どもが小さいうちはリビングでSwitchなどのファミリーゲームをワイワイ楽しみ、少し大きくなったら、この部屋の2台のPCを交代で使ったり、お下がりのデバイスを並べたりして、家族の「デジタル遊び場」にしていけたらいいな、と妄想を膨らませています。
4. 現在のリアルな選択:中古のノートPCが最強の相棒
そんなわけで、現在の我が家のメインPCは、かつて思い描いていたハイスペックデスクトップではありません。
子育てをしながら腰を据えてゲームをするのは難しいため、思い切って「家族共用の中古ノートパソコン」を買い直しました。
ゲームができるほどのスペックはありませんが、ちょっとした調べ物やエクセルの作業には十分。何より、リビングのダイニングテーブルやソファなど、子どもの様子を見守りながら「どこでもサッと開いて使える」ノートPCの機動力が、今の子育てライフには完璧にフィットしています。
5. 気分転換、そして子どもが巣立った後…「秘密基地」が持つこれからの役割
今は物置になっているこの部屋ですが、長い目で見ると、家の中にこういう「独立したスペース」があるのはやっぱり強みだなと感じています。
たとえば、これから子どもが大きくなっていく過程で、「ちょっと1人になって気分転換したいな」「少し頭をリフレッシュしたいな」という時の、大人のおこもりスペースとして大活躍してくれるはずです。リビングから一番遠いからこそ、静かに自分と向き合うには最高の環境になります。
そしてさらにその先。 いつか子どもが大きくなって、やがて家を巣立っていった後。
その時は、設計当初に予定していた通り、また「夫婦2人で並んでゲームを楽しむ場所」に戻せばいいと思っています。子育てという大仕事を終えたあとに、また共通の趣味の部屋にしようと考えています。
まとめ:秘密基地は「家族の歴史」に寄り添う、長い目でのマイホーム計画
我が家の夢のゲーミング部屋は、いまはまだ「荷物部屋」として一休みしています。
でも、それでいいと思っています。 マイホームの部屋の役割は、ライフステージに合わせて変わっていくものです。
「設計通りに使わなきゃ」と焦る必要はありません。 今は家族みんなでリビングにいる時間を最優先に。 ちょっと息抜きたい時は隠れ家に。 そして未来の楽しみに、夫婦の趣味部屋をとっておく。
そんな心のゆとりを持てるのも、家づくりの良さかなと思っています。
何年後か、最高のゲーム仲間(妻と我が子)とあの部屋の電源を入れ、家族の成長を感じながら盛り上がる日を、今から楽しみにしています。


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